生前整理は捨てるのではなく、託すことを強調しよう

今日は生前整理を考えるようになった祖父母のことを思うSさんからです。ありがとうございます。なるほど~と胸を打たれます。
祖父母と三世帯同居をしているのですが、祖父母も70を越え、生前整理を考える時期になりました。
しかし、生前整理のことを話題に出すと、口では「整理しないとね」というのですが、なかなか実行には移す気配はありませんでした。
やはり、自分が生前大切にしていたものを手放すということに抵抗があるようで、特に祖父は強い抵抗を抱いているようでした。
そんな時、地元の公民館の碁石や碁盤がダメになってしまったとの噂を聞きつけました。
祖父は囲碁を嗜んでいたので、ちょっと話題に出してみると、「碁打ちが困っているなら」と自分の使っていない碁石・碁盤を寄附したのです。
もちろん、公民館の人や囲碁クラブの人から感謝をされたことは言うまでもありません。
それ以来、祖父は自分が使っていないものを、受け入れてくれる施設に寄贈するようになりました。
祖父曰く「捨てたり、小銭に替えるくらいなら、誰かに使って欲しい」とのことでした。
自分の使っていたものを使いたいと思う人に手渡すことが、祖父にとっての生前整理だったのです。
この出来事があってから、私は生前整理とは捨てることではなく、使いたいと思う次の人に手渡す方法でも良いのだと考えるようになりました。
事実、祖父は囲碁・碁石の寄附にはじまり、書籍や地元資料、さらには野菜の苗なども欲しいという人に手渡すようになりました。
もちろん、全てを誰かにもらってもらうのは不可能ですから、いくつか買取業者に買い取ってもらったこともあります。
ですが、その後も祖父は順調に生前整理を進め、本当に大事なもの以外は全て片付けてしまいました。
生前整理は捨てるのではなく、次の世代へ託すことを意識させてみると、意外とあっさり片付けてしまうものだと実感した体験でした。